毎月の月経(生理)の時期、腰やお腹の痛みや不快感、気持ちが憂鬱になるなど、心と体が不安定になってお悩みではありませんか。
そこで今回は、月経中に起こる症状と対策についてまとめました。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
月経中に起こりやすい症状と原因
月経と共に起きる症状を「月経随伴症状」といい、その症状や程度は人によって様々です。よく聞かれるのは、腹痛や腰痛、体がだるくて重いといった全身倦怠感です。
また、頭痛や下痢などのお腹の症状が起きる、イライラしたり、憂鬱になったり、感情が不安定になるなどの精神的な症状が出現する人もいます。
これらの症状とその対策について、詳しくみていきましょう。
腹痛・腰痛・下痢・吐き気・食欲不振
月経中の腹痛や腰痛などのいわゆる「生理痛」、下痢や吐き気、食欲不振は、月経中にプロスタグランジンが過剰に分泌されたり、子宮の中に滞ることが原因で起こります。
月経では、子宮や子宮周りの血管が過剰に収縮し、腹痛が起きます。それだけでなく、胃腸の働きが低下すると吐き気や食欲不振が起こりやすくなります。また、子宮の周りの血流が悪くなるため、骨盤周りを中心に痛みが起き、腰痛が出現します。
◉プロスタグランジンとは
血管拡張、血圧上昇あるいは降下、子宮や気管支の筋収縮、血小板の凝集あるいはその抑制などの作用を示す、生理活性物質の一つ。
腹痛や腰痛
- 体を温める
- 軽い運動をする
下痢・吐き気・食欲不振
- 刺激の強い食べ物ものは避け、消化の良い食事をする
- 少量ずつ食べる
頭痛
月経の周期に応じて起きる頭痛は「月経関連片頭痛」と呼ばれる片頭痛の一種です。これは、女性ホルモンの一つ、エストロゲンの作用といわれています。
普通の片頭痛よりも、症状が長く続き、ズキズキという波打つような強い痛みやガンガンと頭に響く痛みが強い傾向があります。
基礎体温表をつけ、毎月いつ頃に頭痛が訪れるのか、自分のサイクルを見つけておくとよいでしょう。頭痛が起こりそうな日には、ゆっくり休める時間を確保したり、頭痛薬を携帯しておくと安心です。
貧血
生理中の経血量が多いと、鉄分不足となりやすく「鉄欠乏症貧血」を起こして、赤血球中のヘモグロビン量が不足し、顔色が悪くなったり、めまいが起きたりすることがあります。
女性は、毎月の月経とともに鉄分が失われるため、健康や美しさを保つためにも、貧血に気をつけましょう。
◉鉄分が多い食品を摂る
魚、肉、レバー、卵黄、緑黄色野菜、貝類
◉鉄分の吸収に関連する食品を摂る
鉄分の吸収をうながす食品→ビタミンC
ヘモグロビンをつくる食品→タンパク質、ミネラル
◉鉄分吸収を妨げるものに注意
タンニンを含む緑茶やコーヒー、インスタント食品
イライラ・憂鬱感・怒りっぽいなどメンタルの不調
月経にともなうホルモンの変化により、月経の数日前から感情が不安定になり、月経がはじまると落ち着く人が多いようです。このような症状をPMS(月経前症候群)と呼びます。
PMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)
婦人科で、PMSと診断されるレベルとしては、月経の3日前位から起こり、月経時に消える不快な症状がくり返し3ヵ月以上続き、日常生活にさしつかえるほどの酷い身体的症状から精神的症状まで様々あります。
◉身体的症状
胸が張る、眠くなる、にきび・吹き出物・肌荒れが起こる、だるい、食欲が増す、便秘、肩こり、むくみ、頭痛、にきび・吹き出物・肌荒れなど
◉精神的症状
イライラする、感情の起伏が激しい、気分が落ち込む、集中力低下、無気力感など
これらの症状は、排卵後に増加するプロゲステロン(女性ホルモンのひとつ)に起因します。プロゲステロンは、本来、妊娠を助ける役割で、子宮内膜を柔らかくする、体内に水分や栄養を溜め込む、眠気を起こすなどの生理的作用を担っています。
そのため、月経前の時期はからだがむくみやすくなったり、便秘がちになったり、また体温も上昇したりと、体調が低下しやすいのです。
PMSの症状は更年期の症状と似ていますが、また違うものです。PMSは20~30代女性に多く見られ、月経周期も卵巣機能も正常な人に起こります。
◉アロマを焚く、ハーブティーを飲む、軽い運動をするなど、心と身体をリラックスさせて過ごす
◉生活に差し支えるほどつらいときは、我慢せず婦人科で相談する
まとめ
いかがでしたか。健康な女性であれば、月経は通常毎月やってくるもの。健康や美容にも影響がでる場合があるので、生活習慣や食生活を見直し、無理せずうまく付き合っていきましょう。
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